土曜プレミアム 「デトロイト・メタル・シティ」

「デトロイト・メタル・シティ」
2008年公開の日本映画。主演は松山ケンイチ。
原作は「ヤングアニマル」連載中の同名漫画作品である。

デスメタル界の帝王と称されるインディーズ・メタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」のボーカル・ギターの"ヨハネ・クラウザー・II世"。しかし、その実態はおしゃれなポップ・ミュージックを愛する平凡で弱気な"根岸崇一"であった。





この「デトロイト・メタル・シティ」という作品は一時期ハマっていた。
初めに見たのは原作でも映画でもなくOVAとして製作されたこの作品のアニメ版であった。
そしてアニメを観てあんなに笑ったのは他にないというくらい爆笑させてもらった。
ちょうど劇場で映画も公開されていた時期だったのでそのまま劇場版も観に行った。
終いには原作コミックも全巻買って読んでしまった。

ちなみに私が最も好きなのはやはり最初に見たアニメ版なのだが、今回は映画版について書きたいと思う。
最近はマンガを原作としたドラマや映画の数が非常に増えている。しかし原作の雰囲気を壊していたり、改悪されていたりといわゆる原作レイプがなされている作品も非常に多いと感じる。
そんな中でこの「デトロイト・メタル・シティ」という作品は原作ファンもそうでない人も楽しめる映画になっている。原作マンガをそのまま映画化したらおそらく一般受けはしないだろう。そこで映画版は原作の中でも特に面白い一二巻をベースとして多少過激な表現は抑えてはいるものの出来るだけ原作の雰囲気を壊さないような作品になっている。確かに「No Music No Dream」が作品の大きなテーマになっていたり、終盤主人公が実家に帰ってからラストまでの流れなどを観ても分かるように少し鼻につくような「いい話」にはなっている気もするのだがこれはこれで上手い改変になっていると思う。原作やアニメで私が好きだった遊園地のエピソードが劇中に盛り込まれているのも個人的に嬉しく感じた。
今回のテレビ放送版は結構な規制がなされていた。劇中に度々登場する「ファック」や「レイプ」などと言った単語や過激な描写などにモザイクやピー音(動物の鳴き声など)が入っていた。そもそもこの作品は深夜にひっそりとノーカットで流すべき作品だと思うのだが、規制版もまた劇場版とは違う面白さもあったので良しとしたい。日本映画にしてはカッコいいオープニング映像もノーカットで流したことも評価したい。
主人公の根岸を演じる松山ケンイチを始めとして、この作品の登場人物は原作のキャラクターがそのまま三次元化したのかと思うくらいぴったりの配役がなされている。ただヒロイン役の加藤ローサは微妙である。出来ればアニメ版でヒロインの声を担当した長澤まさみ辺りで実写化してほしかった。

私の中では2008年のマンガ実写化作品のナンバーワンである。ちなみに2009年のナンバーワンは「カイジ 人生逆転ゲーム」なのだがこのニ作品には脚本家が同じという共通点がある。大森美香という脚本家で最近ではドラマ「ブザー・ビート〜崖っぷちのヒーロー〜」などを手がけているのだが過去には「カバチタレ!」や「ロング・ラブレター〜漂流教室〜」といったマンガ実写化作品を手がけていた。思えばこれらの作品も実に上手い脚色がされていたように思う。

それにしてもDMCと言うとこの作品とゲーム「デビル・メイ・クライ」が存在するので少しややこしいと感じる時がたまにある。

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